江戸時代の大津絵または追分絵と呼ばれた代表的絵柄の「瓢箪鯰(ひょうたんなまず)」

江戸時代の大津絵または追分絵と呼ばれた代表的絵柄の「瓢箪鯰(ひょうたんなまず)」

【瓢箪鯰(ひょうたんなまず)】
江戸時代の民画の一つです。
近江国大津追分近在の土地の人が描き,みやげ品として売ったため,大津絵または追分絵と呼ばれた中で特に有名なのが『瓢箪鯰』です。

その昔、将軍足利義持が画僧如拙に描かせた禅画瓢鯰図(国宝)が、京都妙心寺にあります。
その図では襦袢姿の老僧が瓢(ひさご)を手にして鯰を押さえ捕ろうとしていて、猿は登場していません。
大津絵は、それを猿に置き換えることで笑いを得たのでした。

元来の図の意味は定かではありませんが、「憎らしい人の心もなまず哉」という句を添えて、のらりくらりとした人の心を諷刺したものであるともいわれています。
人は人間より少々知恵の足りないものを猿に喩え、揶揄してきましたが、今の世、人間の知恵も行いも、猿知恵に似たところが数知れずあるのでは、と考えさせられます。

「瓢箪に似たる思案の猿知恵でいつ本心のなまず押さえん」
「道ならぬ物をほしがる山ざるの心ならずや淵にしづまん」
鬼であれ、猿であれ、人の姿を他の物に置き換えることで諷刺を利かす手法は同じで、「瓢箪鯰」も大津絵の代表として大津絵十種にも選ばれました。

その人気故、同じ画題でも何種類かの画風が伝わっており、上図はそのうち現在最も親しまれている形です。
「諸事円満に解決し水魚の交わりを結ぶ」効があると伝えられています。

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